ニューヨークでは7年生はとても重要な年です。7年生の成績によって9年生からどこの高校へ行くのか決まるからです。日本に住んでいる人は驚くかもしれませんが、ニューヨークの公立学校では日本さながらの受験戦争があります。トップレベルの学校に行くために、寝る時間を削って勉強している子供たちはたくさんいるので、そのストレスレベルもかなりのものです。

ADDの息子は、カバンの中を整理したり、宿題を忘れずにノートにメモするのが苦手です。何度注意しても宿題を学校から持ちかえってこなかったり、例え時間をかけて宿題をこなしてもそれを次の日に提出し忘れたり、そんなことが毎日続いています。そのおかげて、テストの点は良くても、成績はガタガタです。そのせいで、最近ではテストの点も悪くなってきました。

ADDの人によくあるように、息子は時間に制約されたり予定を立てるのを極度に嫌がります。自分の持ち物もそこらじゅうに散乱させているし、ストレスにもとても弱いようです。本当は、田舎で詩でも書きながらのんびりと生活するのが性に合っているのだろうと思います。生き馬の目を抜くようなニューヨークでの生活は辛いはずです。

息子は自分の弱点を良く理解しているのですが、どうにかして現状を変えていこうとは思えないようです。嫌な現実は見ないようにすれば存在しないという誤った認識にすがりついているようです。今ならば親や学校の先生が諸手を挙げて援助してくれるのに、それがどうしても理解できないのです。時が経てば経つほど、援助の手を差し伸べてくれる人は減ってしまうのに。

どうにかして子供に生活態度を改める勇気を持って欲しいと思い、私も自分にとって最も困難なことに挑戦することにしました。息子に「お母さんは中年太りしちゃって体に悪いから、ずっと運動しようと思ってたんだけど、どうしてもできなかった。でも自分や〇〇君のために長生きしたいから、今日からジムに通って運動することにした。〇〇君も簡単じゃないのはわかるけど、身の回りを整理しようね。」とは言ったものの、あまりいい返事は返ってきませんでした。

それでも夫からは「最初は子供は無視して何もしなくても、そのうちに親が約束を守っていればその後を追うようになると思う。」と言われたので、早速昨日から運動を始めました。天気がいい日は外を歩いたりジョギングしたり、天気が悪い日は近所のジムに行くことにしました。ただし、私が毎日運動しているのを子供が見えるようにしなければならないので、子供が午後に学校から帰ってきて、おやつを食べさせてから出かけます。

ADDの子供にとって生活態度の改善はそう簡単にできるものではないと十分理解していますが、自分の現状を理解してその対策を取ろうとする態度なしでは前には進めません。息子は明らかに優れた考える力を持っているので、自分の状況を理解しコントロールすることができれば大きく開花できるはずです。