アデラルの残留効果

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夏休みなので、子供は毎日を比較的ダラダラと過ごしています。本好きなのでそれでも本は毎日のように読んでいますが、宿題等はないので薬を飲まない日もあります。

子供が薬を飲みたくないというので、数日間アデラルの投薬を控えたことがありました。最初の日はそれでもまあ普通でしたが、二日、三日とするうちにどんどん様子がおかしくなっていくのがわかりました。そして三日目の夜には、かなりの興奮状態になっていて眠れなくなってしまいました。アデラルが体内のシステムから完全になくなるのには、ある程度の時間がかかるようです。

確かにアデラルは子供にとって重要な役割を果たしているんだと実感したとともに、薬の持つ強い効果を考えると少し恐ろしくもなりました。この子はこれからずっとこの薬を飲み続けるのでしょうか。

長期間のアデラル摂取による副作用を調べようとしてもデータがないようでよくわかりません。アメリカでは向精神薬は1960年代ぐらいから子供に試験的に与えられ始めたので、その子供たちは今では60代になっているはずです。

夫はその第一世代だったようで、子供の頃におそらくデキセドリンという向精神薬を短期間だけ投薬されたと言っています。それなりの効果は出ていたようなのですが、夫の父親が脳への影響を考えて不安になり、投薬を中止したようです。

処方せんを出している医師に聞いても、ADD/ADHDの子供が向精神薬を長期間服用したことによって何かの障害が出たという例は今まで聞いたことがないと言われます。それでもやはりこれだけ強い薬を飲み続けているというのは不安です。

かといって、薬なしでは勉強はもちろんのこと、普通の生活さえ送るのに支障をきたしてしまいます。子供にADDがあるとわかっていて、そして向精神薬が効果を発揮するとわかっていて、それでいて投薬を行わないのは残酷だと思います。

投薬するリスク、投薬しないリスクを両方考えてみて、私たちは投薬するリスクを選びました。

アデラルをスキップした日

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昨日の朝、いつものように朝食の際にアデラルを子供のナプキンの上に置いておきました。息子はカプセルを手でもてあそんでいるようだったのですが、テーブルを片付けようとした時に、ナプキンの中にアデラルが包んであるのを発見しました。

子供に事情を聞くと、薬を飲みたくない、飲まなくても大丈夫だという返事が返ってきました。投薬なしで学校へ行って機能できるのだろうかと心配でしたが、アデラルを飲んだと言って実は飲んでいないという嘘をつかれる方が困るので、飲みたくないならそう言えばいいと子供に伝え、その日は投薬なしで学校に行かせました。

日本でも最近は処方箋向精神薬の乱用が多いと聞きましたが、アデラルは顆粒を詰めただけのカプセルなので、アメリカでも乱用の多い薬です。日本ではおそらく乱用を懸念して、コンサータのような加工が極めて難しい固形状の薬は認可されてもアデラルは認可されていないのでしょう。

それでもアンフェタミンが主成分のアデラルは、メチルフェニデートを主成分としたコンサータ、リタリン系統の薬が有効でないADD/ADHD患者に効果を発揮することがあります。息子のように思春期を迎えて脳が変化するにあたって、以前服用していたコンサータがあまり効果的ではなくなった時にスイッチする代表的な薬でもあります。

ADD/ADHDの子供を持つ親にとって、向精神薬の悪用や乱用は大きな問題です。まだ脳の発達が不十分で的確な判断力を持たないティーンエイジャーの子供は、薬に興味のある友人に一錠ぐらい自分の処方箋薬をあげても大したことないだろうと思うかもしれません。でもそれはれっきとした犯罪であり、自分が今まで努力して築き上げてきたものを一瞬にして台無しにする行為です。停学、退学処分も十分ありえます。

一方、以前に子供の担当医と話をした時に、子供が成長して前頭葉が発達してくるとともに、だんだん投薬の量が軽くなってきたり、中には投薬なしで機能できるようになる子供もいるとも聞きました。

今回子供はアデラルを横流ししようと思ったわけではないと思いますが、そのうちに自分に必要がなくなったら、余った薬を誰かにあげようと思いつく可能性もあります。これから先、向精神薬の保管について我が家でも考えなければなりません。

アデラルなしで学校から帰ってきた息子は特別変わった様子もありませんでしたが、夕方から夜になるにつれ、くだらないことを口走ったり、馬鹿なことをしてみたり、いわゆるハイな状態になってしまいました。本人は疲れているというので、そのまま寝かせようと思いましたが、脳が冴えているようでなかなか眠りに就けなかったようです。

次回に担当医に会う時に、いろいろと話し合うことことがありそうです。

恩恵を受けた子

前回のアップデートからしばらく経ってしまいましたが、子供は無事に第一志望の高校へ入学することが決まりました。日々の葛藤が一つの成果となったことは、子供にも私にも大きな励みになっています。

先日、ニューヨーク市の公立学校に通っていて何かしらの障害がある生徒の保護者に対する説明会のようなものがありました。個人指導プランの仕組み、障害を持つ生徒と保護者はどのような権利があるのか、保護者は子どもの一番の代弁者である事などが障害をもつ生徒をサポートする立場にあるパネリストから説明されました。

学校側との話し合いで持ち上がる問題点や葛藤などが参加者から質問され、活発にディスカッションされました。全く任意の説明会なので、どの参加者も熱心に子どものために奔走している人々です。

発言や質問の多くは、学校側が個人指導プランを作ってくれない、子供に適切な指導が受けられない、今まで子供が学校で受けていた指導サービスを突然切られてしまったなどの内容でした。アメリカは障害者の権利やケアが確立している方だとは思いますが、そこから漏れてしまう人も多数存在します。

それを聞いていて初めて、私の息子は重度のADDであるとはいえ、いかに恵まれているかを痛感しました。もしも学校崩壊しているような学区に住んでいて、落ちこぼれている生徒が周りにたくさんいたら、少々の発達障害など学校の先生の目に止まらない可能性があります。

私たち親も子供のためにあれこれ調べて駆けずり回ったけれど、学校側もそれに対応してくれました。担任の先生も卓越した人が多かったし、子供も周囲の働きかけによく反応しました。でも残念ながらそういう例は稀なようです。自分たちがいかに恵まれているか実感するとともに、同様の恩恵を受けられない人々もいることに心痛を覚えます。

私の息子は(おそらくADDの影響で学校生活がスムーズに送れなかったため)小学校低学年の頃に自分がいかに不幸かを毎日のように嘆いていました。でもいつの日か、自分がいかに恵まれているか理解して欲しいと思っています。

 

 

SWD

ニューヨーク市の公立高校は、日本と同様に概ね生徒の学力によって受け入れを決めるので、日本と似たような受験文化があります。ただしシステム自体は日本のものよりもはるかに複雑なので、保護者は何がどうなっているのか理解するのにかなりのエネルギーを使います。

毎年ニューヨーク市の教育委員会は、市内のすべての公立高校の情報が収められた3〜4センチぐらいの厚さの冊子を受験を備えた生徒に配布します。それぞれの学校は何人の新入生を受け入れるのか、どの程度の成績の生徒が入れるのか、特別な試験があるのか、選考のための提出物を要求されるのか、などの事柄が書かれています。

数年前から市の教育委員会は、市内トップの幾つかの公立高校に学習障害を持つ子供達をもっと積極的に受け入れるように圧力をかけ始めました。その結果、今年から高校の案内冊子にSWDという新しい項目ができました。SWDとは Student With Disability の略です。学校は半ば強制的にADDや学習障害を持つ子供の入学を一般の生徒とは別枠で受け入れ始めたのです。

私のようにADDを持つ子供の親は、子供をできるだけいい学校に通わせてやりたいという気持ちとともに、他の一般の子供達とは異なる学び方をする自分の子供に合うように個別で丁寧な指導をしてくれる学校を選ぶのが重要なポイントです。

たとえ子供がとても優秀な生徒が通う学校に子供出来たとしても、その学校に学習障害やADDを持つ子供をサポートするシステムがなければ、子供は落ちこぼれてしまうからです。今まではそれを嫌って、多くのADDを持つ子供の親は、子供をあえて実際の学力よりも低いレベルの高校に入学させがちでした。

ニューヨーク市内でもトップクラスのいい学校がADDの子供を受け入れ始めたのはいいことなのですが、始まったばかりのシステムなので、学校側がどれだけ受け入れ体制を整えているのかまだわかりません。SWD枠の受け入れに関して個別の説明会を開いている学校は数少なく、資料も実績もほとんどない状態なので、親が各学校に直接問い合わせて事細かに質問をするしか今のところ方法はありません。

ただでさえニューヨーク市の公立高校選びは大変なのに、SWD枠に入れることもの親はもっと時間と労力を割かなければなりません。それでも新しいSWD枠を教育委員会が儲けるようになった事自体、大きな進歩だと思っています。

7年生

ニューヨークでは7年生はとても重要な年です。7年生の成績によって9年生からどこの高校へ行くのか決まるからです。日本に住んでいる人は驚くかもしれませんが、ニューヨークの公立学校では日本さながらの受験戦争があります。トップレベルの学校に行くために、寝る時間を削って勉強している子供たちはたくさんいるので、そのストレスレベルもかなりのものです。

ADDの息子は、カバンの中を整理したり、宿題を忘れずにノートにメモするのが苦手です。何度注意しても宿題を学校から持ちかえってこなかったり、例え時間をかけて宿題をこなしてもそれを次の日に提出し忘れたり、そんなことが毎日続いています。そのおかげて、テストの点は良くても、成績はガタガタです。そのせいで、最近ではテストの点も悪くなってきました。

ADDの人によくあるように、息子は時間に制約されたり予定を立てるのを極度に嫌がります。自分の持ち物もそこらじゅうに散乱させているし、ストレスにもとても弱いようです。本当は、田舎で詩でも書きながらのんびりと生活するのが性に合っているのだろうと思います。生き馬の目を抜くようなニューヨークでの生活は辛いはずです。

息子は自分の弱点を良く理解しているのですが、どうにかして現状を変えていこうとは思えないようです。嫌な現実は見ないようにすれば存在しないという誤った認識にすがりついているようです。今ならば親や学校の先生が諸手を挙げて援助してくれるのに、それがどうしても理解できないのです。時が経てば経つほど、援助の手を差し伸べてくれる人は減ってしまうのに。

どうにかして子供に生活態度を改める勇気を持って欲しいと思い、私も自分にとって最も困難なことに挑戦することにしました。息子に「お母さんは中年太りしちゃって体に悪いから、ずっと運動しようと思ってたんだけど、どうしてもできなかった。でも自分や〇〇君のために長生きしたいから、今日からジムに通って運動することにした。〇〇君も簡単じゃないのはわかるけど、身の回りを整理しようね。」とは言ったものの、あまりいい返事は返ってきませんでした。

それでも夫からは「最初は子供は無視して何もしなくても、そのうちに親が約束を守っていればその後を追うようになると思う。」と言われたので、早速昨日から運動を始めました。天気がいい日は外を歩いたりジョギングしたり、天気が悪い日は近所のジムに行くことにしました。ただし、私が毎日運動しているのを子供が見えるようにしなければならないので、子供が午後に学校から帰ってきて、おやつを食べさせてから出かけます。

ADDの子供にとって生活態度の改善はそう簡単にできるものではないと十分理解していますが、自分の現状を理解してその対策を取ろうとする態度なしでは前には進めません。息子は明らかに優れた考える力を持っているので、自分の状況を理解しコントロールすることができれば大きく開花できるはずです。

コンサータからアデラルへ

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去年の夏ぐらいから(もしかしたらそれよりも以前から)息子が投薬をあまり好まなくなっていました。コンサータを飲むと確かに集中はできるのですが、その感覚が嫌らしいのです。”the medication dumpens my spirit”、薬は精神的な創造性を制限するので摂取すると楽しくないし冴えがなくなるのだそうです。

秋にそれまでの56mgから34mgコンサータに変更してからは、少し良くなったようです。ただし、その頃から夕方に摂取していた短時間有効のリタリンを拒否するようになりました。リタリンは、息子にとってコンサータの効き目が切れた午後遅くから夕方にかけて宿題をこなすのに必要な投薬です。本人は薬の助けなしでできるというので、やらせていましたが、実際は宿題を家でやっているように見えても実際は集中できないのでやっておらず、全く提出していないという事態が続いていました。

先日、向精神薬を処方する医師との定期予約があった時に状況を話したら、薬の種類を変えたらどうかと言われました。コンサータと同様に向精神薬ではあるけれど、成分が違うアデラルという薬です。コンサータの有効成分がメチルフェニデートなのに対して、アデラルはアンフェタミンが有効成分です。

医師が言うには、思春期に差し掛かって体や脳が発達して機能も変化していくと、今まで有効であった薬が有効でなくなることはよくあるそうです。異なる成分からできている薬にスイッチすることによってうまくいくこともあるそうです。ただし、人によっては新しい薬が全く効かない場合もあるので、まずは試してみないことには何もわからないのです。

アデラルを処方してもらって使い始めてから一週間ほどになりますが、息子が言うにはコンサータよりも集中できるし嫌な感じがないそうです。最低二週間ほどは様子を見ないと新しい薬がどのように作用しているかはわからないとはよく言われますが、今の所アデラルは順調なようです。

ただし、まだ夕方の宿題の問題が残っているので、次の定期予約日にリタリンのように短時間有効なアンフェタミン系統の薬について聞いてみることにします。

医師や学校の先生などには息子は同年代の子供達とは釣り合わないようなレベルの頭脳を持っていると言われるのですが、本人に言わせるとそれが実は悩みの種で「特別にはなりたくない」し、他人と違うのは全然嬉しくないのだそうです。「普通になりたい」というのが切実な本音のようです。

一番好きな本

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夏休みの間に息子を本屋に連れて行ったら、一冊の本に夢中になってしまいました。すでに本屋にいる間に半分以上読んでしまっていました。あと少し待つから全部読み終えて他の読んでいない本を買った方がいいのではないかと聞いたら、それでもその本が欲しいというので買ってあげました。

Out of My Mindという小説で息子が普段読むエピックファンタジーのジャンルではありませんでした。生まれたときから全身麻痺で車椅子の生活している11歳のメロディーという女の子が主人公です。メロディーは体が動かないばかりか一人で食事もできず言葉も発せないので周囲からは精神障害もあるだろうと思われているのですが、実はとても優れた知能を持っています。

息子はいわゆる本の虫で今までに様々な本を読み、気に入れば同じ本を何回も何十回も読むタイプです。その子が今までに読んだ中で一番好きな本だと絶賛したのがこの本です。おそらくADDがあるために頭の中にある事を思い通りに表現できない自分の姿が脳性麻痺の主人公の姿と重なったのだろうと思います。

ADDは端からちょっと見ただけではわかりません。特に注意欠陥性のタイプはちょっと鈍い子としか受け取ってもらえない場合があります。周囲からは気づいてもらえなかったり、ぞんざいに扱われたり、押し出しの強い子ばかりが注目を浴びる中、息子は全てを冷静に観察して心の奥にしまっているのでしょう。色々と考えさせられました。

小学校高学年程度をターゲットとした本ですがとても良く書かれているので、大人でも十分楽しめます。また、子供向けに書かれているのだけに英語もそれほど難解ではありません(残念ながら日本語訳はありません)。英語のアマゾンサイトのレビューを読むと特に身体障害を持つ子供の親にはよく読まれている本のようです。

ID:nbjt6l

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コンサータ:54mg から 36mg へ

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息子にコンサータを与え始めて3年ほどになります。息子はかなり重度の注意欠陥性ADDで、薬を飲み始める前は学校で授業にほとんど参加せず教室の後ろで一人でずっと本を読んでいました。幸い息子には向精神薬が劇的と言えるほど効いたので、今までは学校がない時も欠かさず薬を与えていました。

前回のブログに書いたように、今年の夏休みの間何年か振りに薬をあげずに過ごしてみました。なんといっても一番の違いは食欲の差です。育ち盛りの子供らしくしっかりと食べてくれました。息子には向精神薬がもたらす食欲低下の副作用が強く出てしまうので、元々食が細くかなり痩せている息子に時々投薬を控えるのはそれだけで意味がある事だと想いました。

向精神薬なしの状態の息子は、薬を服用している時よりもヘラヘラしてはいるけれど、ずっと楽しそうです。本人も投薬なしの状態の方が楽しくて好きなようですが、エネルギーレベルが高くて高機能のADHDの人とは違って、息子は投薬なしでは学校では全く機能しないのは明らかです。

医師と相談した結果、投薬の量を54mgから36mgへ減らしてみる事にしました。以前同じ医師から、個人差はあるけれど思春期に差し掛かると脳も発達するのでそれに伴い投薬の量が軽くなる事はよくあると言われた事を思い出しました。そういえば、今年の夏に息子は体重も身長も伸び、声変わりもしました。心も体も大きく変化しているのでしょう。

息子によると36mgは丁度いいようです。「今考えてみると56mgは強すぎた」とも言っていました。果たして本当に56mgが強すぎたのか、それとも脳が発達して以前よりもコントロールができるようになったのか、それはわかりません。

学校が始まった現在では、休みの日に宿題をやらなければならない場合でも有効時間の短いリタリンにして、なるべくコンサータは与えないようにしています。そうすれば食欲が減退する時間を減らすことができます。

今日は学校が休みなのですが、宿題は全て昨日終わらせたので、全く向精神薬は与えていません。息子はふにゃふにゃで、ただ着替えをするにもダラダラやっているので30分ぐらいかかってしまいますが「休み」の日だし、時々100%ナチュラルな自分自身でいられる日もあっていいだろうと思っています。

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向精神薬なしの日々

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The ADHD Advantage: What You Thought Was a Diagnosis May Be Your Greatest Strength という本を読んでいます。作者自身がADHDである精神科医がADHDの利点に関して書いた本です。最近出版されたばかりの本なので、日本語には訳されていないはずです。

作者自身、ADHDであるにもかかわらず向精神薬を使用しておらず、沢山の成功している人の例を挙げて読者にも向精神薬を使わない事を奨励している本です。

まだ途中までしか読んでいないのですが、本に書いてある例は多動型タイプのADHDばかりなのがひっかかります。おそらく多動型は注意欠陥型よりも成功しやすいからなのだろうと思います。

次から次へと始終行動していないと窒息してしまうような多動型と比べて息子のような注意欠陥型は頭の素早い切り替えが苦手です。何事をこなすにしてもほかの人の2倍、3倍の時間がかかるのです。

半分参考になるような、ならないような本なのですが、息子が向精神薬を使わないとどうなるのだろうかとふと思いました。幸いと夏休み中なので、息子と話し合い、数日前からコンサータを与えるのやめて様子をみています。

コンサータなしの息子は、正真正銘のナチュラルハイです。悪く言えば薬物を使用しているようにも見えます。顔がなんとなく笑っていて、行動もふにゃふにゃしていて、でんぐり返しのような意味不明な事をしています。

向精神薬は普通の人には麻薬やカフェインと同様に精神を高揚させる働きがあるのですが、ADD/ADHD の人に与えると落ち着くというのを目の当たりにしました。

息子は薬なしの状態が好きなようです。傍目にも、コンサータを服用していない方が明らかに幸せそうです。薬なしの方が明らかに食欲もあるし、夏休みが開けるまでこの状態を続けてみようと思っています。

ただし、明日は薬なしの状態で果たして勉強ができるのか、試してみる予定です。息子の短い集中力に合わせて10分か15分ごとに勉強の科目を変えてやってみます。例えば15分間数学のワークブックをしたら、その後10分間本を読んで、その次の15分間で英語のワークブックをし、それが終わったら最初の数学のワークブックを引き続き次の15分間するというように短い時間で複数のタスクをローテーションさせていきます。

うまくいくかどうかわかりませんが、今読んでいる本に書いてあった一つの方法です。息子は複数の本を同時に読む癖があるので、複数の勉強をローテーションで同時に行う方法を試してみる価値はあると思います。

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教師の資質と人としての資質

幸い私の息子は今まで学校の先生に恵まれていました。今年の先生も熱心だし指導力はあると思います。でも去年までの先生に見られた繊細さに欠けるような気がしています。

私の息子のようにがADDの子供の教育をするのは簡単ではありません。母親として毎日一緒に生活しているのだから、私もその辺は誰よりもよく承知しています。他の子供に対して接するように指導しているだけでは、発達障害の子供の大事なポイントを見逃してしまいます。

そのポイントに気がつくためにはある程度の観察力と繊細さが必要です。これは教師としての資質とは全く関係がないと思うので、繊細さに欠ける人の中に素晴らしい教師がいても不思議ではありません。

たまに学校の教師の中には規律に厳しかったり、子供を観察してその子にあった指導の仕方を見つけるよりも、自分のやり方を押し付けようとする人がいるのですが、そういう人々は発達障害をもつ子供にとって極めて有害な存在になりえます。

現在の息子の担任は、早朝補修クラスを設けたりして色々と熱心ではあります。ただ繊細さに欠けるのと子供の利益よりも学校での自分の立場を気にしているのではないかと思ってしまう事が何度かありました。若くて野心が強そうな先生なのでおそらく良い評価を受けて出世したいのかもしれません。出世したいと思うのは、向上心の高さの現れなのでいい事なのですが、息子の教師には不向きです。

また学校のスピーチセラピーの指導者の資質も私は疑っています。息子とスピーチセラピーの指導者の部屋に行った時、息子はその指導者の顔を見ずに完全に背中を向けて座っていました。そして泣きながらスピーチセラピーは一学年下の英語の授業のようなのでやりたくないとはっきり言いました。

その光景を目の当たりにしても、その指導者は「でもこれはあなたにとって役に立つ事なんだから、続けたほうがいいのよ。」と自分の考え方を曲げませんでした。これは、本来「役に立つはず」の事でも時には害になりえるといういい例だと思います。特にスピーチセラピーなどは嫌々やっても効果など上がるはずがありません。

現在息子をスピーチセラピーから完全に引き上げる手続きを行おうとしています。ただし、学校側の反発があるので、簡単には進まないだろうとは思います。

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