アメリカのコネチカット州という銃規制が厳しく、銃の所持も一般的ではない地域で悲惨な事件が起りました。金曜日の朝にライフルと拳銃で武装した20才の男性が小学校に強行乱入し、小学1年生20人と大人6人を殺害し、逮捕される前に拳銃で自殺しました。
アメリカの小学校は開放的な日本の小学校とは異なり、警備がかなり厳しくなっています。学校の回りには鉄製のゲートや柵がめぐらされ、一階の窓には全て格子がはめてあります。子供達が登校した後は、警備員を配置してある一つの入り口を残して全て閉鎖され、外部からの侵入者は保護者を含めて全てチェックされます。
子供の登下校も必ずスクールバスか保護者同伴で、あらかじめ指定された人が学校に迎えに来なければ、学校は子供を下校させません。子供が10才ぐらいになれば、一人で登下校させる事もありますが、それには必ず保護者の事前の承諾が必要です。
これは、離婚による親権のもめ事が多く、親権を持たない親が自らの子供をかつての配偶者から誘拐するケースが絶えない為に出来た措置だと思います。ところが、ここ数年の教育の場で起り続ける銃の乱射による大量殺人事件の為に、学校の警備は更に厳しくなりそうです。
それぞれの学校は既にロックダウンと言われる避難訓練を年に何度か行っているはずです。子供達は、万が一不審者が校内に侵入した時に備え、教室のドアに鍵をかけ、クロゼットの中に隠れたり、物の影に隠れたりするのです。その訓練も今後は緊迫した空気を帯びたものになるのだろうと思います。
でも例え学校側が完璧に警備をしていても、今回のように銃で入り口を破壊し、校内に侵入する外部者を阻止する事は不可能です。
子供達を武装した檻の中で学ばせなければならないような環境は、どう考えても異常です。子供達はのびのびと、毎日楽しく学んで遊んで成長すべきで、生命の危険に怯えながら日々を過ごすべきではありません。
突然に幼い子供を失った親の気持ちを思うといたたまれなくなります。また、襲撃を目撃してしまった子供達の心の傷は計り知れません。更に残酷な事に、アメリカで意味のある銃規制が制定されない限り、同様な事件はおそらく又、近い将来にどこかで起るのです。
襲撃の犯人はアスペルガーだったと伝えられています。ずば抜けて利発だけれど、他人と関わりを持つ事が難しかった息子を母親は家で教育していたそうです。ホームスクールというのですが、アメリカでは辺鄙な地域に住んでいたりや特別な思想や宗教観を持つ人びとは、子供を一般の学校に通わせずに家庭で教育する事も可能です。その母親が、今回の事件の最初の被害者になってしまいました。
今の所、アスペルガーや自閉症に対して警戒感を持つような風潮やニュースのコメントは出ていません。ただ一つ読んだ今回の事件とアスペルガーを結びつけたコメントは、アスペルガーを持つ人は事件の被害者にはなりやすいけれど、加害者となるケースは極めて稀だというものです。
私はアメリカの銃規制に希望を持っていません。例え何百人の子供達が殺されても、それは「一部の頭のおかしな奴」が行った事で、銃が悪いのではないという結論に達するだろうと予測しています。本当に頭がおかしいのは、子供の命よりも銃を持つ権利を優先するアメリカ人です。
銃規制に話が進展するよりも、小学校の教員も銃で武装すべきかどうかの論議に焦点が当たっているのだから、絶望的です。
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