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ADDの投薬は、ちょうど目の見えない人が眼鏡をかけるようなものだと専門医とソーシャルワーカーが言っていました(専門医とソーシャルワーカーは別の団体で働いていて、お互いの面識はありません。)。ADDを持つ人にとって、薬は一種の矯正なのです。眼鏡をかけているからと言って、視力が回復するわけではないのですが、眼鏡をかけていれば日常生活に支障はありません。ADDにも程度の差があると思いますが、日常生活に支障が出ないようならば、投薬なしのセラピーセッションのみで乗り切れるかもしれません。でも学校で勉強に集中できず成績が落ち続けているならば、投薬を真剣に考慮する必要があると小児科医に言われました。

私も夫も投薬には最初反対していました。まだ脳の完全に発達していない8才の子供に向精神薬を与えることに抵抗があったし、潜在的な副作用や長期使用による常用性も気になったからです。しかも薬は有効時間だけのものなので、一端服用し始めたら一生服用し続けるのかも分かりませんでした。

学校の担任や教頭に聞いてみた所、「今まで何人ものADDの生徒を見て来たけれど、投薬をおこなった保護者もあれば、行わなかった保護者もある。それを決めるのは保護者で、学校側は良いとも悪いとも言えない。ただし添加物を除外するような食事療法やハーブでADDが改善した例はない。」と言われました。ネットで情報を集めようと思っても、実に様々な、全く異なる見解が書いてあります。投薬に反対のサイトは、向精神薬の子供に対する長期投与の歴史は短いのでその長期的な副作用は分からないので使うべきではないと書いてあります。投薬に賛成のサイトは特にはなかったと思いますが、ADDの治療に使われる薬の種類などが書いてあるサイトは沢山あります。

結局、どの団体のウェブサイトが一番信頼できるかという観点から、参考にするサイトを選ぶ事にしました。アメリカで言えば、Mayo Clinic や Web MD などが医学的事実に裏付けられた情報があります。個人の運営するウェブサイトや一切の投薬や予防接種を退け、ホメオパシーや自然治癒力にのみ頼る事を勧めるサイトは、除外しました。

医者に聞いてたり、サイトを見て調べた所、なぜ向精神薬がADDの子供を落ち着かせ、集中させるのかは実ははっきりとは分かっていないのだと分かりました。ただ覚醒作用があるはずの向精神薬をADDを持つ人が服用すると、落ち着いて物事に集中できるのだそうです。

医師によると、向精神薬をADDを持つ子供に処方することは、かなり以前から行われていて、長期服用によっても深刻な副作用が出た例は今までに遭遇した事がないという事でした。ただ、心臓疾患のある患者が向精神薬を服用した結果、心臓停止になった例がカナダで1件だけあるので、事前に心電図をとり、服用し始めの24時間程は注意するように義務付けられているとも言われました。もしも24時間内に心拍数の急激な変化などが見られなければ、その副作用に関しては心配する事はないそうです。

一般的な副作用としては、向精神薬を服用する事によって、食欲が低下する例がしばしば見られると言われました。そのため、向精神薬を服用し続けた子供は、本来その子が伸びるはずの身長よりも約3㎝程低い身長になる可能性があるいう事でした(個人差にもよる)。普段の食欲低下を補う為に、投薬する前の朝食を充実させる、有効時間が過ぎたあとの夕食を充実させる、または夏休みなどの期間に投薬を中止してたくさん食べさせるようにするという対策を多くの家庭が取っているのだと聞きました。

また、一生投薬を続けるかどうかは、その人がつく職業にもよると言われました。例えば会計士のような細かいデスクワークを職業としてADDを持つ人が選んだ場合、おそらく投薬がないと機能しないのではないかという事です。でも、ADDの人が会計士のような職業を好んで選ぶ可能性は恐らく低いし、多くの仕事にはADDが影響する事はないので、多くの人は大学を出て職業に着く頃には投薬を中止するといわれました。

そして学校の担任、教頭、小児科医、専門医、ソーシャルワーカーとも話し合い、もしもしばらく投薬してみて、良くないと思ったら止めれば良いと思い、最終的には投薬を決めました。子供の大きな助けになるかもしれない一つの可能性がある限り、それを試す事無しに却下してしまう事は出来ませんでした。向精神薬の利き方には個人的に大きな差があると思いますが、我が家の場合、最初の頃のみ不眠がありましたが、食欲低下の副作用もなく、向精神薬の使用は今の所うまく行っています。

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